最大判昭28.2.18、最判昭39.11.19、最判昭41.12.23(自作農創設特別措置法における農地買収処分で民法177条は適用されるのか、されないのか?)
これらの判例は、自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分と民法第177条の適用に関する重要な判例です。それぞれの判例の要点を比較しながら説明します。
最大判昭28.2.18
- 事案: 自作農創設特別措置法に基づく農地買収処分。
- 結論: 民法第177条は適用されない。
- 理由: 農地買収処分は国家が公権力を行使して強制的に行うものであり、民法上の売買とは異なるため。
最判昭39.11.19
- 事案: 自作農創設特別措置法第3条に基づく農地買収処分。
- 結論: 民法第177条は適用される。
- 理由: 国が所有権を取得した場合、その所有権の取得については民法第177条の適用があるとされた。
最判昭41.12.23
- 事案: 自作農創設特別措置法第30条に基づく未墾地買収処分。
- 結論: 民法第177条は適用される。
- 理由: 未墾地買収処分による所有権の取得についても、民法第177条が適用されるとされた。
比較と考察
- 最大判昭28.2.18では、農地買収処分が公権力の行使であることを理由に民法第177条の適用を否定しました。
- 最判昭39.11.19および最判昭41.12.23では、農地買収処分による所有権の取得について民法第177条の適用を認めています。特に、最判昭41.12.23では未墾地買収処分に関しても同様の判断が示されています。
これらの判例は、自作農創設特別措置法に基づく処分と民法の関係について異なる視点を提供しており、法解釈の重要な指針となっています。