最判昭50.2.25

公務災害に関わる金銭債権の消滅時効期間については、早期決済の必要性など行政上の便宜を考慮する必要がないので、会計法の規定ではなく、民法の規定が適用されるか?

”最判昭和50年2月25日(昭和47年(オ)第1384号)の判決について、正しい内容は以下の通りです:

  1. 判決の結論:
    公務災害補償請求権の消滅時効期間は、民法の一般原則である10年である。
  2. 主な理由:
    a) 公務災害補償請求権は公法上の権利であり、その性質上当然に短期消滅時効に服するものではない。
    b) 地方自治法236条1項の5年の消滅時効規定は、地方公共団体の有する債権について定めたものであり、地方公共団体に対する債権には適用されない。
    c) 特別の規定がない限り、民法167条1項の10年の消滅時効が適用される。
  3. 具体的な判示:
    「地方公務員災害補償法に基づく補償請求権については、同法に時効に関する特別の規定が存しない以上、民法一六七条一項の適用があり、一〇年の消滅時効にかかるものと解するのが相当である。」
  4. 判決の意義:
    この判決は、公法上の請求権であっても、特別法に規定がない限り、民法の一般原則が適用されることを明確にしました。
  5. 影響:
    この判決以降、公務災害補償請求権を含む多くの公法上の金銭債権について、特別法に規定がない限り、民法167条1項の10年の消滅時効が適用されるという解釈が定着しました。

民法167条1項の10年の消滅時効が適用されるという判断です。この判決は、公法上の請求権に対する民法の適用関係を明確にした点で重要な意義を持っています。”

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